数値化された世界で君は何を思う①

紫×黄色 趣味

時は20xx年、情報化社会が進展し、日本は高度な文明が栄えていた。この文明を支える基盤となるのが「アダム」だ。「アダム」とは、過去の人類が蓄積していた過去のデーターを蓄積したシステムである。「アダム」が一人一人に対し、各分野ごとに点数を付け、進むべき道を暗示してくれる。これを「啓示」と呼ぶ。日本では「啓示」が二度行われる。

一度目の啓示が、6歳に行われる。その人の能力や特技等の伸びしろを考慮した学校に配属される。ここでは、「松竹梅」の各ランクに「金・銀・銅」の9ランクに分けることができる。この啓示が行われたのちに、各腕章が交付され、その腕章を右腕に付けなければならない。一目で、能力の優劣が付く。

二度目の啓示が「啓示」が18歳に行われる。そこでその人の人生が決定される。この「啓示」は人生のすべてだ。この啓示で、これからの職業・結婚相手・生活をする土地が決定される。

この「アダム」システムを採用した背景は世界情勢が関係している。

ここでの世界情勢は、Zウイルスという致死率66パーセントのウイルスが蔓延していた他に、アメリカとロシアの戦争により物価の高騰、エネルギー問題が発生した。日本政府は諸外国との国境を断ち、「イブ」という食糧生産システムにより、食料の遺伝子をコピーして生産することが可能になり、少ないエネルギーで食料を安定的に製造することが可能となった。



歴史の教科書を持ちながら、居眠りをしていた私(永田俊)は、教師である(村田孝雄)にチョークを投げられ、目を覚ました。村田は、「授業もろくに聞けないのか。これだから梅の連中はと」愚痴をこぼした。ここで、授業の終わるチャイムが鳴り響いた。私は3000文字の反省文を書くように村田から命じられしぶしぶ承諾した。

学校が終わり、寮に帰ろうとしたところ、クラスメイトの朝日英二に「今日は災難だったな。」と肩に手を置きながら、笑みを浮かべた表情を話かけられた。「やかましいわ」と朝日の手を振りほどきながら、私は舌を出した。帰路に作業服を着た「梅・銀」の腕章をした男たちとすれ違った。通り過ぎたのちに、朝日が「上を見れば、切りがないけど、下を見れば、俺らはまだマシだな」と口笛を吹きながら話した。

俺たちの階級は「梅の金」で日中は肉体労働を行うが、最低限の教養を学ぶプログラムが組まれている。だが、俺たちより下の階級は、教養のプログラムすらない。現在の日本は、鎖国制度と「アダムシステム」により、世界情勢が悪い中でも発展してきた。しかし、個人の自由と人権は失われた。日本のこの制度の良し悪しなんて、俺なんかがわかるわけない。だが、衣食住が整備されている他国は少ないので、俺達は幸せかもしれない。そう思いながら、朝日の話に同調した。



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